結城一誠過去作品展示
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REWIND特集 湯魔監督インタビュー!
(聞き手/朝宮運河&EJtaka 執筆/朝宮運河)
ジャケット



※10:土砂崩れで:
崖沿いの道を行かねばならず、通行止めの柵をどけ侵入。 洒落にならない陥没や土砂崩れで下手すれば大事故に。 それでも監督の鬼のドライヴィングテクニックにて進んでいくも限界。 道路は分断されその向こうには修復に来たらしい建設用作業者が。 泣く泣く引き返しロケハンをしたわけだ。


※11:燃やされた車:
燃やされた車
燃やされた車
下のショットが本編使用時のもの。



※12:K君が空き室の管理: 当時Kの社宅は管理人を持ち回りで行っており、丁度撮影時期に管理人の番が廻って来ていた。 当然利用するのはもっての他な訳で細心の注意を払い侵入。 何度かアクションの型練習を行った。 音の伝わりやすい洗面所の配管等には布を詰め、カーテンの無い窓から離れての撮影。 無闇に音を立てる事もできない中、結城一誠が神掛かったアドリブを連発。


※13:平壌ヘビーメタル:
劉誠雲カルト
サントラには何人も参加しているが、結城一誠からも一曲提供されておりそれがこの「平壌ヘビーメタル」だ。 所持しているキーボードは何箇所か壊れているため妙なズレ具合のエレクトロアヴァンポップな仕上がりに。 思うにアシッドハウスに触れた奴らの「これは、ヤバイ!」て興奮に近いだろう。・・・いや、うん。


※14:エロ映画:
パメラ
これは没になった。本編はもっと酷いシーンが選ばれてんだもの。


※15:小ネタ:
よい子のビール
自主製作映画の面白みはどこまで手を入れられるか、拘れるか、だろう。 まずもって資金がないわけで殆どの小道具が手作りとなる。 とは言え金銭的な理由で手作りで誤魔化しただけのものはチープな仕上がりになってしまう。 どこまで拘れるか、どこまで細かく世界観を映し出すか、とチマチマした努力を惜しむことなくやり切れた映像はやはり面白い。 このビール瓶一つ取ってもその姿勢は伺える。 絵は監督自ら。


※16:「ゴールデンハーベスト似の会社ロゴ」:
ゴールデンハーベスト
同じように動き、同じような音。 湯魔電影公仔
しかし「湯」の文字はゴールデンハーベストの四角よりも画数が多い。 湯魔と話していたのはこの画数の多さがゴールデンハーベスト調なのに・・・長い! となって面白いんでねえ?と。


※17:140さんの特製フィギュア:
140作ゾーイフィギュア
映画完成間近に秘密裏に進められた140によるフィギュア製作。 監督のもとに贈られた貴重な品。ヌンチャク着脱式の拘りよう。 映画のオープニングでは「DVD購入特典」(デマ)として映像に納められている。


※18:『焼売兄妹』:
現在推進中のプロジェクト。衣装に140、主演に桜井、音楽にEJの起用が決まっている。 撮影、編集で湯魔が参加した「思い出忍者」(08年:監督:朝宮/EJ::オフィスRH) で発揮されたCG技術のスキルも加わり次回作も目が離せない。

監督 ■オマージュすべき作品ならごまんとある!

湯魔・前原君がボクシングできるから早回し無しの攻防をやりたかった。ロメロやゾーイ編は1.5倍とかにしているが、前原君とのボクシング戦はほとんど早めてないんだよ。あのシーンでは、音楽が変わるのに合わせてYUMAのスタイルがボクシングから功夫に変化する。作曲してくれたEJ君には感謝です。

朝宮・サントラ作成した人の意見も聞いておこうか?

EJ・宇宙人は音楽を作りますか?はい。宇宙人は音で会話するのです。だから彼らの気持ちがそのまま音楽になるのですよ。以上。

朝宮・成程。

EJ・極真空手をやりなさい。すべてはそこからだ。

朝宮・他、撮影時の苦心談なんかありますかい?
奥秩父湯魔・廃村でのアクションシーンが撮りたくて奥秩父まで行ったのに、土砂崩れで到達できず。(※10)適当なところで撮った絵が思いのほか良かったので、思い出深いですねえ。用意してもらったケータリングがいかにも撮影って感じで楽しかったし。

朝宮・そうそう。そのときは私も同行してました。奥秩父に村まるごと空き家になっている場所があって、そこを目指したのだが道路が繋がってなかったんだよな。湯魔が手に怪我をしたり、帰りにファミレス寄ったりして、あれはなかなか楽しかった。

湯魔・都内では絶対撮れない絵だから、気に入ってるシーンですね。廃村で撮る夢は捨てていませんが、今回はあれで良かっただろうと。ロケハンといえば土手のシーンもお気に入り。

朝宮・あれは多摩川?

湯魔・『SPROUTS』でも撮っていて、その時は踏切があったんだよね。今回行ってみたらもうなくなっていた。でもたまたま燃やされた車(※10)が捨ててあって。EJ氏の曲(「四月の漂流」)ともぴったりでした。

EJ・ちょっと音楽家らしいことを言うとですね、監督は音楽を使うのがうまいんです。

朝宮・うん。

EJ・シーンを盛り上げる上でも、ぴったりと合った音楽は欠かせないんですよ。映画音楽を作るにも二種類あって一つは映像を見せてもらったあとで曲を作るというもの。今回はバトルシーンの部分だね。前原vs湯魔、それとゾーイvs湯魔のシーン、ここは監督に先に映像だけ貰ってイメージ合わせた。一応バトルの攻防というか、それに合わせて曲の調子も変えているんだぜ。で、もう一つの方は俺の既存の曲を監督が使う場合があるんです。「四月の漂流」はそう空き室侵入 いう意味でもいい使われ方したな、って思うね。どれぐらいいい使われ方というと、「REX」における安達祐実ぐらいだな。

湯魔・最初はあのシーン、工場の音を入れようと思ってたのだよ。近くに工事現場があるのが映り込んでるでしょう。アフレコが面倒だったから、曲にしたのがうまくいった。

EJ・ガーガー、ゴゴゴゴゴとかそういうのか?ノイズだ!クセナキスだ!

朝宮・そりゃ……カルトだったのでは。

湯魔・あそこの土手でうまい具合に夕日が出たので、ハイキックしてもらって。綺麗な絵が撮れましたね。いいカラ絵の撮れる場所かどうかって、かなり重要なんだよ。今回は結構恵まれた環境だった。K君が空き室の管理(※12)をしてたから、自由に入ることができて。鍵開けることが出来て、そこで結城君の劉誠雲のシーンが撮れたの。

カルト俳優登場 朝宮・そういえば、彼について語ってなかったですね。

EJ・平壌ヘビーメタルね!(※13)

湯魔・結城一誠氏のシーンはほとんどアドリブ。他はアフレコなのに、あそこだけ笑い声が入っちゃうから平壌ヘビーメタルを大きめに流して、音声はカットしている。あと拘ったのは、ロメロが幻の拳術をゾーイにダビングしてあげたときに、エロ映画(※14)が入っているという間抜けなシーン。

朝宮・はいはい。パツキン怪談。

湯魔・あれはパメラ・アンダーソンの『バーブワイヤー』という糞映画なのだが、観もしないくせにわざわざあの1シーンの為にレンタルしてきたわけです。それと拳術ビデオをVHSに入れてそれを流して撮影して、とどうでもいいシーンなのに大変だった。それだけに良いシーンが撮れたと思いますが。

朝宮・小ネタ(※15)が非常に楽しいよね。

湯魔・「報酬は通常の5掛けだ」と言いながらピスタチオを口に放り込むシーンは20テイクぐらいしたんじゃないかな。あれはジャッキーの『サンダーアーム』へのオマージュなんですが、まあ気づく人はいないか(笑)。

朝宮・うわあ、わからねえ。

湯魔・前原君が作ってくれた「ゴールデンハーベスト似の会社ロゴ」(※16)のお陰で映画ぽくなったし、EJ君の音楽で締まったし、140さんの特製フィギュア(※17)も出来がずば抜けてるしで、皆に助けられた映画だったなあと。追加撮影とか出きればもっと完璧な映画になれたんだと思うけど、スケジュールを合わせて限られた日程で、となると無理だった。自主映画の限界ですね。絵コンテの時点で完成度を高めておく必要があるのかなと。色々と学ぶところはありました。

朝宮・ちなみに次作もまたカンフーもの?

湯魔・そう。これまたクダラナイことに躍起になるって話。昭和30年代的な貧乏家庭の兄妹がたった一つの焼売をめぐって功夫で対決するという作品で、タイトルは『焼売兄妹』(※18)。元ネタはジャッキーと赤鼻の師匠(ユエン・シャオティエン)の修行シーンだな。『カンフーパンダ』で既にオマージュやられたのが悔しいが、まあこっちは実写ですから。すでにEJの曲を聴かせてもらったけどかなり良いよ。そちらもお楽しみに。オマージュするものがごまんとあるから、これからも年1、2本を目指して撮っていきます!自主映画くらいしか人生の楽しみがないからね。

まだまだ終わらない


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