RELAY REVIEW WHO AM I?-3-


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	●リレー連載映画レヴュウ／第十四回『WHO AM I？』
	〔カット割りが巧い〕皆さん最近のアクション映画観てます？　ヒットしたものでは先述した【ボーンアイデンティティ】シリーズ。更にジェット・リーがハリウッドで主演しているほぼ全作【キスオブザドラゴン】【ダニーザドッグ】【ローグアサシン】等もう本当に酷い。酷くて酷くて下痢になる。え？面白かったって？　そういう人は腸が強いんだろ。ジャッキー映画を観ても尚ボーンアイデンティティの方が面白いと言うのなら、それは貴方がアクション映画を観てるのではなく「恋人とデートする為の暇つぶし」として映画を選んでいるだけで、そもそも動機が不純なんです。小６の修学旅行から出直して来い。女子の部屋に忍び込まず一人でリンゴ飴でも舐めてりゃいいんです。デートの手段として映画を観るな。ボーンシリーズに見うけられるアクション…なんであんなにカット割りするの？？？頭おかしいんじゃない？　一度数えたことあるんだよ。１アクションシーンでどれだけカット割ってるのか。 10～20あった。阿呆かって。そんな目まぐるしくカット割ったら癲癇起すわ。そうつまり、ハリウッドやフランスで作られるアクション映画はカット割を早くすることでアクションそもそもを早く見せようとしているのである。さぁ実験。今から首の運動です。5秒以内に首を左・右・上・右・左・右・下・左・上の順に振ってみましょう。やりましたか。どうです？まるで地球が物凄い速さで動いているようでしょう。　それと同時に目も回ったでしょ。同じだよ。奴ら愚鈍な映画人が作るアクション映画の演出なんて所詮はったりなんです。早くてカッコイイ格闘シーンをやっている(風)なんですって。その点ジャッキーのアクション映画は1アクションシーンでせいぜい5カット程度。しかもその1カットが濃厚。1カットに更に10以上の打撃の応酬がある。どんな技をかけ、どんな応酬があるのかが眼に見えてわかる。だからこそ見ていてもハラハラするんです。ジャッキーと敵のどっちが強いのかがよくわかる。ボーンシリーズなんてどっちが強いのかよくわからないけど最後にマット．デイモンが立ってるから「ああ勝ったのか」とわかる程度です。〔弱さも見せる〕ジャッキーが映画界に入った頃はブルース・リー全盛期だった。ブルース・リーの急逝後映画会社はこぞって第二のブルース・リーを捜したものです。カンフー．ハッスルに出ていたブルース・リャンもその人。ジャッキー自身も第二のブルースを目指し、打点の高いハイキック、鋼の肉体、シリアスな演技を心がけた。しかし第二のブルースは香港には現れず、ハリウッドしかもホラー映画で登場したのだ。そう、ブルース・キャンベルである（死霊のはらわた）。否、冗談はさておき、ジャッキーはその路線では芽が出ないことをいち早く悟り、敬愛するバスター・キートンのようなコメディ映画と功夫との融合を図ると同時に主人公演じる己さえも敢えて滑稽なキャラクターにしたのだ。パンチを打てば自分の手も痛いし、ロープから勢い良く滑り降りれば手が熱い。顔を殴られれば鼻血も出るし、可愛い子ちゃんが居れば鼻の下を伸ばす。ブルース・リーのような鉄壁のヒーローではなく、映画を観ている観客により近しい等身大のジャッキー．チェンを演じることで多くのファンを獲得した。映画【WHO AM　I？】はある意味集大成のような映画だ。ジャッキーの見事なアクション。喜劇のようなテンポ。スタント無しのド派手アクション。本当に贅沢な映画。アクション映画なので写真を載せても余り伝わらないだろうから控えていたが、文章だけなのも味気ないので少しだけ載せてみよう。 (写真①)を見てくれ。敵に追い込まれ屋上に出たジャッキーはなんとかこの建物から逃げようと考える。しかし手錠で両手が言う事を利かない。さぁどうやって逃げる？ジャッキーは屋上に置いてあったロープを身体にぐるぐると巻きつけなんとそのまま飛び降りたのだ。京劇や雑技団でおなじみの技。　これは是非見て欲しい。数多あるアクション映画でこんな逃げ方したヒーローは他に居ない。その後のコミカルな演技にも注目。　ぐるぐる回って降りたんだから当然目も回る。(写真②) シュワルツェネッガーは絶対こんなことやらない。 ←BACK NEXT→ -3-
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