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●リレー連載映画レヴュウ/第五回 結城一誠が見た “第18回オリンピアード競技大会東京大会公式記録映画『東京オリンピック』” | ||||
室内競技の記録に於いてもキャメラの捕獲するものは変わらない。一貫してこの映画でキャメラは、遠目で見たような試合結果や内容ではなく参加する選手らの人物描写と情景の捕獲に徹している。女子80メートルハードル決勝。キャメラは、当時スタート前に独特の動きを取ることで知られていた依田郁子という日本選手を追いかけていた。自らのスタートラインを箒で馴らし、その箒を放ったかと思うと、今度は口笛で「王将」の旋律を吹き始める依田。側転したり、後転したりと落ち着きなく動き回るシーンが映像には収められているが、何のことはない、他の選手も同じような動きでウォーミングアップしているではないか。敢えて日本選手である依田のみに照準を特化せず、他の選手らの行動も他のキャメラが捉えていたのだ。競技の決着はほぼ十数秒で決まってしまうのだが、その前後に観察眼を向けたことで、この短い競技での選手各々の相対化された時間の流れを捉えることができたように思えるのは、単純な連想ではないだろう。競技本番その時だけが、彼らの精神力が集約される時間ではない。その集約にも過程があり、観客は気怠く思われる過程の時間帯こそが彼らの集中力培養の瞬間かも知れないのだ。 -3-
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