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●リレー連載映画レヴュウ/第六回 『チェンジリング』”
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 『チェンジリング』が発表された80年あたりを境にSFXホラーの花盛りがはじまり、以降SFXの怪物に頼らないこの手の恐怖映画は、ほとんど作られなくなる。「ホラー映画=スプラッタ」という80年代から90年代にあって、対象のはっきりしない恐怖を描くという地味な手法が顧みられることはまずなかった。
 唯一の例外が我らが日本国で、『チェンジリング』のような本当に怖いホラーを、という水面下での胎動がやがて『女優霊』『邪願霊』『呪死霊』『呪怨』『降霊』など一連の名作群を生みだす基盤となったことは周知の如くである。(タイトルが似通っているのは私の所為ではありません。不悪!)
 かつてスプラッタホラーの寵児であった監督サム・ライミが「これほど怖いホラーは観たことがない」と清水崇の『呪怨』を絶賛したというのは、『チェンジリング』の孤立無援ぶりを考え合わせると、なにやらん時代の循環を思わせるではないか。

 最後にひとつだけ書きこぼした事がある。
 本作全篇にただよう陰々滅々とした感じ、魂が底冷えするような鬼気は、紛れもなくピーター・メダックという一人の才能によって計算され、演出されたものだ。それは間違いがない。
 その点をあらためて確認したうえで、今日になって知った事実を付け加えておこう。この物語は原作者ラッセル・ハンターの実体験を基にしているそうだ。

 リレーもいよいよ第二巡。
 その昔走りながらメンスになったランナーが居たそうだが、我々とて油断はできない。いつ男性が女性になるか解らない、そんな怖ろしい世の中だ。ATMかと思ったら仏壇だったり、そんな事件が頻発しているとも聞く。心して掛からねば。

 次回ランナーは山田正紀を語らせたらこの男、「機神兵団」を2セット持っていたという前原一人君の出走です。あっ、お腹痛い・・・。

第七回に続く



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