結城一誠過去作品展示
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●リレー連載映画レヴュウ/第三回 『未来帝国ローマ』
誰も想像しえなかったフルチの未来世界』
ジャケット

 この映画だけでなく、映画全般に対して、こんなフルチの言葉がある。
●「テクニカルレベルで見れば監督も面白い。しかし映画作りで一番重要なのは脚本なのだ。だから『サンゲリア』は例外として、これまでわたしが関係してきた全作品のオリジナルソースはあまねくわたし自身の発案によるものだ」
 本当に脚本に力をいれているのか?とフルチ映画を一本でも観たことがある人ならそう尋ねるに違いない。でも、昔のぼくは、こんなものを大事に映画ノートに書き写しているような男だったんだよ。
 
『ヘルクラッシュ! 地獄の霊柩車』(1991年)はフルチの遺作である。
 スピルバーグの名画『激突』は偶然一緒になったトラックがどこまでも追い続けてくる、という鬼気迫る名画だったが、96年に亡くなったフルチの遺作は、どこまでも霊柩車が前を走って追い抜けない、というどうにもくだらない映画だった。 
 最後の最後までフルチ監督は期待にこたえてくれたわけだ。ぼくはそれだけでもこのイタリア人ホラー監督を愛せる。

 おそらくビデオレンタル屋でも滅多に見かける事のない『未来帝国ローマ』。もしかしたら、今もどこかのワゴンセールでひっそりと眠っているかもしれない。誰も想像し得なかったフルチの未来想像図を君も覗いてみないか? 
 しかし今回一番損をしたのは、喉を切られて殺された上に、新しい女に旦那を取られた奥さんであろう。まったく救われない。


次回は日本のアクション・ゴッド。湯魔シャーマン氏に汗まみれのバトンを渡します。この人、根っからのジャッキーファンであり、数少ないホラー映画同好の士でもある。果たして彼はどんな映画を持ってくるのか、来週はレビュー大乱闘の予感。ゴングの用意はいいか?

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