INDEX | ABOUT | INFO | CONTENTS | ARCHIVE | BBS | LINK |
REVIEW: TOP > INDEX > ARCHIVE > MOVIE
|
||||
---|---|---|---|---|
●リレー連載映画レヴュウ/第十回 YK的『機動警察パトレイバー2 THE MOVIE』考 | ||||
そこへ、アニメーションが可能にした突然の陽射しの如く、日常という天気図にペーストされた低気圧のように現れる軍備・武装という威力。反面、平和憲法下のシビリアンコントロールという永すぎた春に霜焼けを知らずに育った乳児の歩みのような頼りなげな体裁。都市観に加え、描かれる軍事威力は、戒厳法発令に至るエピソード「横浜ベイブリッジ爆破」「航空自衛隊バッジシステムの第三者介入によるハッキング」というバーチャルな空間における緊張感に比べ、えらく脆弱なものに見えてくる。不可視のテロルという脅威を前にして、もはや遅すぎた埋め合わせとでも言うべき感覚。 そしてP8の降雪風景。やがて戒厳下の東京に雪が降る。この映画では、後半部にかけて雪が大きな象徴となっている。雪の白さが都市の風景より一層引き締めているとともに、事態が醸し出す不安の散乱を抑制する役目を果たしている。が、しかし、である。状況は刻一刻と次に弾かれるピンボールに触れる羽根の動きを予感させつつ進行する。映像は、時間と空間が凍結を擬装し、人々が募らせる不安の飽和状態を孕みながら、解決の幻想すらも浮かばぬ「誰もが神」の状態を都市の風景、群像に投射する。しかし、後藤や南雲はその裏で解決のための実効的手段を練り、荒川はひそかに自身が用意したアナグラムの狂言解析を行いながら、彼らに同行する。やがて映画におけるフォーカスの的は状況描写に転位していく。 -3-
| ||||
CURRENT INDEX | ||||
OFFICIAL SITE | ||||
第一回 | ||||
第二回 | ||||
第三回 | ||||
第四回 | ||||
第五回 | ||||
第六回 | ||||
第七回 | ||||
第八回 | ||||
第九回 | ||||
第十一回 | ||||
第十二回 | ||||
第十三回 | ||||
第十四回 | ||||
第十五回 | ||||
AHEADINDEX | ||||
INDEX | ||||
CONTENTS | ||||
ARCHIVE | ||||
MOVIE |
Copyright c2007 FLYER All right reserved. 画像使用について問題がありましたら「ABOUT」内メールフォーム、もしくはBBSにてご一報下さい。 |