結城一誠過去作品展示
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禅銃 2007年:集英社:222頁
禅銃ジャケット

+INTRODUCTION+
建築系高校で学んだ後、現場監督や建築家のまねごと(本人の弁による)を経験。遊学のために一年間ニューヨークに渡り、帰国後から漫画を描き始める。特に師事はせずに趣味で描いていたが、友人の勧めで投稿をするようになる。一年ほど投稿を続けた結果、『BLAME』がアフタヌーン四季賞で谷口ジロー特別賞を受賞。その後高橋ツトムの専属アシスタントを5ヶ月ほど務めた後、1997年より月刊アフタヌーンで代表作『BLAME!』の連載を始めた。この作品は後にOVA化もされている。 独特な世界観の作品が多く、巨大な建築物と人物を対比させることにより、スケール感を表現する手法を多用する。通常ではあり得ないような遠近感を正確に表現できるのは、建築家としての経験が大きく役立っているのではないかと思われる。台詞が少ないためストーリーがわかりにくいとの批判もあるが、それに対して「情報は最小限のものを断片的にしか出さず、あとは勝手に想像してもらう方がリアルだと信じている。」と答えている。 海外での評価も高く、エンキ・ビラルなどから賞賛を受けている。村上隆によるアート展『「SUPER FLAT」at 渋谷パルコギャラリー』(2000年)にもイラストレーションを出品した。 。
引用元→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%90%E7%93%B6%E5%8B%89

著者
二瓶勉
出版社
集英社(2007/1/24)
ISBN-10
4088772105
ISBN-13
978-4088772103
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私と漫画A〜漫画の魅力は視覚体験にこそあるのか、と・弐瓶勉作品「バイオメガ」からその魅力を解く〜
by結城一誠

弐瓶がこのレベウス・ウッズのアーキテクチャや計画に際するマニフェストを意識していたかどうかは情報がないので計り知れないが、この「バイオメガ」では混乱状況を経て存在する構造の姿が脆弱にも形を留めたなりで描かれている。
構造物と同じく有機体としての人間は活発な描写を経て、同化する事なく、反面で異化や疎外という意識を顕在化するでもなく、物語の軸として動いている。不思議なことに構造と人物は併存し、その併存状態が読者による認知体験で解るように、結果、読者の感情移入を遮らないメタフレームでの参画を許容する世界が描かれていることになる。戦闘、犯意、恐怖、恍惚という有機体の意識が働いている現場感覚を視覚的に得ることにより、われわれ読者は臨場感と物語の読解、更には感情移入による物語のパルス(脈動)を仕入れるのである。
視覚による認知とは単にその図像の形態、シニフィエを仕入れるのみでなく、誇大妄想とも言えるイメージ世界での緻密な読み取りを行うことでもある。視覚的認知が物語の読解に更なる深化を与えるのだ。
漫画は映画などの動画に比べれば、静止した絵の連続体である。が、しかし、静止した状態の絵を追う目と脳髄、中枢神経は決してそのような単純な捉え方をせず、連続する絵から紡がれる物語とそれに伴いコインシデンタルに漸増する感情の昂揚と凋落を認識する。コマを追う毎にじわじわと感じる躍動感、恍惚、推理的思考性、エロトロジーなど諸々の感動、そしてわれわれは物語の骨格を舐め尽くすように味わう為の思考体系へと導かれていく…。
漫画の魅力は、漫画そのものにあるではなく、漫画を受容する目と脳、神経にあると考えれば、いかに絵を蔑ろにした漫画がつまらないか、ただテキストを読ませるだけの漫画に魅力が現れないかがよくわかる。畢竟、読者の読解と認識の方法に委ねられてしまう一面があるということは恐いことでもある。漫画を楽しめる者、面白みを見いだせる者にこそ味わえる漫画の魅力。とは言え、これは漫画が読者を選んでいるのではない。漫画の楽しみの発見は、結局読者自身に帰結するのだということだ。私はまだまだ自分にとっての漫画の楽しみ方を仕入れた、発見したとは断言できる状態ではないのだが、漫画への嫌悪感がとてもへなちょこで臆病者の態度によるものだったと今では述懐し得る。
というわけで、あなたにとっての漫画の楽しみとはどこにあるか。そういう観点で漫画を読んでみるというのも、漫画の新たな魅力が見えてくる契機になるかも知れない、と此処は締めておきましょう。書き終えて無責任にも、相変わらず支離滅裂なことを書いてしまったような気もするが、別に大嫌いなセロリを食えるようになれ、などという自己啓発紛いの駄文を書いた積もりはありません。
さて、今回のコラムも結局概論的になってしまったが、今度漫画について語るときが来る時は、私に漫画の魅力を教えてくれた諸作品を紹介することになるでしょう。では、またその折に。(Y-K)
な映画なだけに、現在は入手が非常に困難との事。一度は観てみたい映画だと筆者もかねがね思う次第である。


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