真偽は永遠に反転し続け真偽判定はしえないのだ。
 「ひとつの仮説を信じた瞬間、観察者もまた『謎また謎が連鎖するゲーム』すなわち奇妙な偶然と悪意に満ちた混沌の世界に取り込まれてしまう」(朝宮)ゆえ、著者であるキールはいかなる仮説もとらない。
  反し、このゲームにどっぷり浸かってしまった主人公を描いたのがこの映画版「プロフェシー」の物語だ。
リチャード・ギア扮する愛妻家の新聞記者ジョンが妻と新居の下見に行った帰り道、  州道にて妻の運転する車で交通事故に遭う。
  一連の奇妙な事件はこの事故を境に頻発するようになる。
  妻の脳内に発見された腫瘍。
  わずか一時間に600キロも移動した怪現象。
 夜毎戸口に現れたというドッペルゲンガー。
 不審な電話。
 預言者に接触し予言者となる中年。
 目に浮かぶ赤い痣。
 増大するモスマン(蛾男)の目撃談。
 イングリッド・コールドと名乗る怪人物の登場。
 予言された惨劇。
  劇中頻発する怪現象に合理的な説明を試みることは可能だ。
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