近未来。少年法保護下の中学生を中心とした武装集団と在日系で組まれた自警団357が東京は深川での抗争を繰り返す。
主要登場人物は瑛二、夏比古、ナイロン、高校生3人と幾分都市の離れた友人明浩の4人。
これに瑛二の兄、そして抗争の裏に見え隠れする”少年”を中心となり物語は進む。
英二の幼馴染夏比古がヨーロッパ留学より帰ってきた日、357統括高橋が中学生武装集団のボウガンによる凶弾に倒れる。
この一件を境に就任した新統括小春以降、抗争は激化を増し、357、中学生武装集団、ナイロンの外人部隊と三つ巴のアクションが展開される。
アクションをナイロンが担当しぐいぐいとスピード感を持って読ませるのに対し、瑛二、夏比古の「家族の中の個人」から発生してしまう当然の秘密や謎、衝突が徐々に明らかにされながらバイオレンスが描かれる。 本作で稀に見る強力な”暴力”として具現化されている夏比古の存在が物語の中で加速度的に肥大していく様は快感ですらある。

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