パイドパイパーとは「ハーメルンの笛吹き」の意でありコミック折り返しに簡単な説明がされている。
このパイドパイパーの意味、劇中に横たわる抗争と暴力の真意が最終巻で遂にベールを脱ぎ圧倒的迫力で幕を閉じる。
これは例えば、「世界の中心で愛を叫んだけもの」、「WORLD is the mine」と同じく暴力の神話だ。
愛とはそもそも暴力の一形態であり、覚悟であり、特にそれが誰かの何かに捧げられたとき、真の姿を現す。
登場人物の名前には画面上で読んだだけでは分からない仕掛けがあり、これが単なるキャラクター付けに留まらない。
各人物が負って生まれた事柄が、「キャラクターを立たせる」ためにではなく真に意味を持ちえている稀有な作品だ。
これだけでかいハナシをわずか6巻で纏め上げたのは、もう、凄い。
完結を機に是非一気に読むのをお勧めする。(前原)

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