JRのみならず首都圏近郊の私鉄・バスが一枚のICカードで乗り継げるその名も、PASMO(パスモ)が3月18日からサービス開始する。これに併せてこれまでJRのみで使用可能だったSuica(スイカ)も相互乗換可能となる。つまり、SuicaかPASMOどちらかを持っていれば首都圏ではJRから私鉄への乗換のために一々切符を買わなくて済むのだ。通勤などで乗換多き私にとってはお世話になるだろうサービスである。
改札のICカード専用センサーにカードを当てるだけで通過できてしまうこれら利点多きICカードだが、使用してみると難点も見えてくる。現在使用中のSuicaカードであった事だが、かつて何度かセンサーに感知されていながらもきちんと精算&乗降記録がされていなかったりするのだ。その時、感知の確認画面が改札機で微々とでも確認できれば良いのだが、そのままスルーしてしまった場合、次にカードを使う時に困る。つまり、前回の記録が不具合でできなかったために『下車記録がありません(入場記録がありません)』のようなエラーメッセージとともに、改札口の扉が閉まるのだ。その時、私はカードの記録上では、下車(乗車)せず乗車(下車)しようとしてるのだった。PASMOだろうがSuicaだろうがIkocaだろうがToicaだろうが、適用されてから日常茶飯事でこのようなトラブルは起きてるんだろうが、確かに私は改札を抜けて乗車し、または下車して改札を出てるのだから、その辺りはセンサーと言えども、弁えて欲しいものだ。
それとも、これは鉄道におけるサイヴァーパンクの切っ掛けなのか。便利で楽になるのは結構。改札の自販機にてICカードの定期券を発行する時なぞは、氏名から生年月日、電話番号まで聞かれてしまう始末。個人情報漏洩を恐れるぐらいなら、初めから自販機で買うべきではない、と言われそうだが、いずれにせよ、この一枚のカードでその所有者の移動記録が分かってしまうのは明白、前述のエラーにせよ、個人情報にせよ、持たされるだけ持たされて、保障のない何か脆い構造の上の便宜の良さに甘んじている気がしてならない。
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