「BILL LASWELL,MATERIAL」
かつてSTUDIO VOICE誌のノー・ウェーヴ特集にて“制作欲絶倫男”と紹介されたビル・ラズウェルが在籍した音楽集団マテリアルの初中期の作品群と
ビルのソロ大作2曲を収めた3枚組ボックス。
ビル・ラズウェルといえばPIL,ハービー・ハンコック「ロック・イット」のプロデュースやマイルス・デイヴィスの
リミックスで一部ではアヴァンポップの魔術師として知られるアーティスト。節操の有無が判別できない演奏が特徴のベーシストでもある。
必聴すべきはマテリアル盤No.2に収められているセルフプロデュースに移行するあたりの作品。
私としてはパンク=ニューウェーヴの地平を見るとはまさにこういう音楽との邂逅のことなんだと思うのだが、
キャッチイなメロディやブラックミュージックの要素の取り入れ方を捉えれば、実はパンクというよりはポップなのかも知れない。
収録曲の中でも「WHITE MAN」「DETACHED」は秀逸。ソロの2曲も秀級。ざらついたゴッタ煮を望むビート派や電子音響派、
ニューウェーヴの波動に身を委ねたいタイプの方、是非耳にされよ。
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