キャビンフィーバーでは浮浪者風のズタボロの男が災禍の配達人として若者たちに迫り、
若者たちはイライラして仲間には亀裂が入り軽薄な怒りとやはり薄情な思いやりを随所に溢れさせる。
嗚呼!青春!
次々と屍を重ねていく登場人物、助かるようで助かりようの無い状況と展開。
セックスドラッグロックンロール。
かつてスプラッタで死ぬ順番はこのアメリカン青春群像が孕むアメリカの道徳を逸脱した者たちの順だった。
面白かったのは”キャビンフィーバー”では順序が逆になっている。
しかし映画っていうのは本当に引用の多いものなのだねえ。
映画に限らず、なのかも知れないけれどもモンタージュって技法が特に明確なジャンルが映画かと思うと、
引用とモンタージュの組み合わせはなにより編集に掛かってくるのではないだろうか。
リンチ映画を引用したかに思えるシーンなんて特に面白い。
赤いベルベット地のブランケットと少し濃い化粧。
思い切ったBGM。
苦痛と快楽の表情の結び合わせはクローネンバーグも内包しているようだし、そんな印象を俺に与えたのは編集によるものだろう。