松尾スズキの(惜しき)芥川賞落選作「クワイエットルームにようこそ」を読んだ。個人的には予想通りの佳作で、久々に一夜で読み切った。その夜、関東は今冬初めて本格的な雪に見舞われ、翌朝東京は白くなっていた。窓を開け、雪見がてらコーヒーを啜ったが、流石に物凄く寒い。センター試験がある週末はよく雪が降るのだと、東京の人は言う。今年から初めて英語のリスニングテストが実施されるらしいから、この雪もある程度静けさを提供して、結果受験生にはいい施しになったのではないのだろうか。閑話休題、国内では今週も世話しなく情況が動いた。強度偽装事件の証人喚問、ライブドアショック、米国産牛肉再びの禁輸、そして幼女誘拐殺人事件の最高裁判決。年明けから約一か月、昨年の国内を沸かせた“目抜き通りの通行者たち”への審判が下される時期なのか。他愛ないが、年末年始引っ張り凧だった芸人たちが、死活の線上を彷徨いつゝ頑張る時期でもある。ちなみに俺も頑張る時期である。不意にこんな歌を思い出す。♪BYE BYE LOVE 外は白い雪の夜…拓郎は巧く謳ったものだ。いや、松本隆の詞が良いのか。そんなことを思いながら、窓からの風景を眺めていると、シミュレーション的に外の潔癖な白い雪に吸い込まれて、多少心地が良い。
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