hope 【煙草の嗜み。@】本格的に煙草を吸い始めてから約2年が経つ。何がニコチン中毒かも分からないぐらいに数量は2年前に比べ倍増している。この喫煙がいつから嗜みになったのかどうか、2年前までは少なくとも恰好付けだったような気がする。実際それが嗜みなのかも分からないので、今回は今までわざわざ記述するまでもなかった煙草についてコラムを一筆。いや、一筆とはいえ表題に“@”と番号を振ってる以上続編も出来得るかなという勝手な気分で書き出してしまっている。
ちなみに今吸っているのは主に「マルボロ・メンソールライト(100sロングサイズが主)」か昨年日本上陸した「ポールモール・メンソール」のどちらか。吸う割合はメンソール煙草が多い。珍しいわけではないが、「ラッキーストライク・メンソール」はほとんどといって吸う機会がなかった。国産煙草だと新感覚デザインとの売りで一昨年ぐらいから出ている「C」という煙草や、ラム酒の香りがする「ハイライト・メンソール」、「セブンスター・メンソール」、「マイルドセブン・メンソール1mg」などを吸う。
では、なぜメンソール煙草を吸うようになったのか。メンソールはよく勃起不全になるだとか、男性にとっては不安そのものに直結し得る妙な言説が出回ってるが、それでも吸っているのはなぜか。
その由来は、私の予備校時代の日常が裏付けてるようだ。予備校時代、通学の際私は毎回缶入りのミントタブレットを買い、終日肌身放さず、その日のうちに完食していた。当時、フリスクは高いと敬遠し、比較的安く今や国内ミント売り上げNO.1のミンティアさえも世に出ていなかった頃である。キシリトールやらキノコに含まれる某成分が配合されていた(といっても麻薬とか合法のドラックではないよ)、忘れてしまったが、スライド開閉が可能なアルミの缶に入っていたミントタブレットをコンビニエンスストアで購入しては食べ尽くしていた。勉強もまともにせず、まさに摂食障害すれすれのミント馬鹿であった。
その対価としての喫煙に到れば話は早いのだが、そこはブランクが空く。当時、私は嫌煙家だったのである。しかし、地元の悪友福井君(仮名)によりその意識は転覆する。奴は、国産煙草「ピース」が好きでよく吸っていた。もう時効なので言わせてもらうが、それは高校時分からだ。フィルター付を吸っているなら未だしも、奴は両切りを好んだ。私は暗闇の誘惑に導かれるままに、それまで嫌っていた煙草の紙筒を興味本位で一本受け取ってしまった。嫌煙家気取りが、単に意志薄弱だったのだ。奴と近所の居酒屋で飲むようになってから、奴の「ピース」は約1/3私のものになっていた。飲酒が加速度的に私を喫煙へと誘ったのである。しかし、当時は金魚吸い。つまり、口腔内に煙を止どめて、気管支や肺には容れずに吸っていたので、中毒からは目逃れていた。いたのに、大学入学後、その程度が悪化する。大学に入れば、当然、皆浮かれ騒ぎで新歓だコンパだと飲み会を催す。同時に飲酒量も増え、煙草をスパスパ吸うけったいな先輩同輩連中がいる。そりゃあまあ、意志薄弱な人間には、誘惑に打ち勝てる所か、四面楚歌という状況だった。当時、飲み会を開けば参加者の半分以上は喫煙者だったし、酔ってれば下らん情況にもかかわらず、喫煙がニヒルに見えてくる。潜在意識と言うやつか、松田優作、矢沢永吉、キース・リチャーズの顔と煙を喫む構えが浮かんでは消え、自分の姿が重なると、見えざる手が同一化を図ろうと煙草を貰うか取り出すかして、口に咥え、火を点ける。嗚呼、ここまで来たら、煙草が最高の嗜みに思えてくる錯覚と錯誤的なカタルシスが後には待ち構えている。
そんなこんなで大学時代は、常時喫煙をしてたわけではないが、それまでのように吸うことに対して嫌悪感を抱くことは無くなっていたのだ。
じゃあなぜメンソールを吸うようになったのかという本線の話題に戻ろう。予備校時代のミント常習の名残は大学時代を含め或る期間はずっと忘れており、煙草も不良の象徴「ハイライト」や「セブンスター」を時々買っては喫んでいた。つまり、煙草はメンソールでなくても良かったし、メンソールは咥えただけで腹が痛くなったり、女性が好む傾向があるという偏見があったからだろうか、ほとんど吸うことはなかった。しかし、煙草の中でもタール含有が高い「ハイライト」が強すぎると思い、試しにメンソール煙草に手を出したら、口腔内にネットリと残るヤニの残存感がそこまで感じられなかった。それ以上になぜか清涼さを感じたんだろう。それ以来の付き合いになってしまった。
ああ、こんな内容のコラムに随分と面積を割いてしまうが、次回は「こんな煙草を吸ってみた」という至って普通の誰でも書けそうなのを展開しようと思う。気軽に書いたので、相当の乱文になってしまったが、ここまで読んでくれた皆様、どうもありがとう。そして、管理人の前原氏がなぜ青い矢でお馴染みの「ショートホープ」を常習するようになったかを是非本人に聞いてみたい。
(Y.K.)