【トリノ・日本アカデミー賞・PSE】
時間 月並みな話だが、イタリア北西の都・トリノでの冬季五輪が華々しく閉幕した。
相変わらず重商主義路線をゆくIOCの存在が気に食わぬここ最近の五輪だが、今回は日本勢の不調ばかり語られる一方で、 シャニー・デイヴィス(スピードスケート)、コステリッチ(アルペン)、荒川静香(フィギュア)らの活躍が目覚ましく、 9・11直後のソルトレークシティ五輪に比べてその内容はテレビで視聴するだけでも十分楽しめるものだったと思う。
開会式でプッチーニ「トゥーランドット」を歌うルチアーノ・パヴァロッティの登場は流石イタリア、芸術国家だ。
開閉通じて式の構成の運び方は圧倒的だった。中でも演出の一環で未来派の彫刻がモチーフとなって現れた時は、 この国が持ってる芸術性の振幅の広さをつくづく感じさせられたな。
最近話題のチョイワル的観点はどうかと思うが、私自身個人的にイタリア憧憬が強いので、この五輪で尚更、 その志向が深まったような気がする。これ、本当の話。
閑話休題。
先週末、日本アカデミー賞の発表があった。私もかつて読んでいた西岸良平の原作を映画化した「ALWAYS 三丁目の夕日」が12部門を独占したという。
そこまでの作品だったのか…とまだ未見ゆえ1度見てみたいものだが、三島遺作の映画化「春の雪」や「北の零年」、 井筒和幸「パッチギ!」を抑えてのこの作品の受賞はやけに印象的だった。
主人公・茶川演じる吉岡秀隆の有様が原作そのもののイメージだったのが、作品が単なるVFXのオンパレードじゃなかった事の証左と思うが、 いずれにせよ、この受賞は80年代明治大正レトロブームを経て、00年代の特徴ともいえる昭和ブームの雛型ともいえる話題だった。
しかし、ブームって一体全体何なんでしょうね。どうも、この手の波には乗り損ねてナンボの感がある。
あの阿呆舟感覚は嫌いではないんだがなあ。まあ、話をPSE(電気用品安全法?)に進めようか。
皆さんも知っていると思うが、何だこの法律、また“萌えても、燃えない”ゴミを増やして、潔癖症者以外の愛が計り知れぬ中古の世界に塵埃を被せる算段なんだろう。
“ジャンク”にもなれぬ欠格者を増やして。話題の「格差」か。
家電業界が冬の時代で…云々というマクロな話は放っといて、PSEってESPをモジった積もりか。エスパーか。サバ言うな。思い付きで案じた法じゃなかろうか、これは。
そして似たような所で、いやあ、竹中直人さん。政府広報のCMで「NIPPON構造改革」とか言ってる場合ではないですぜ。
少なくとも、私は変な法律が坦々と決まってく世の中に対する最高の皮肉と受け取ってます。
(Y.K.)